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読売新聞オンライン「猫学(ニャンコロジー)第3回ねこ路地散歩【和の情緒あふれる「神楽坂」…かの文豪ゆかりの街にはやっぱりネコがよく似合う】」の記事に、日本画家:髙橋友美の紹介をしていただきました。ぜひご覧くださいませ。

日本画の魅力を感じる美術館の旅!北海道へ〜作品解説&アクセス徹底紹介

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日本画の神秘的な美しさと北海道の壮大な自然を組み合わせて、人々に一生に一度は体験してもらいたい特別な旅をご紹介します。

日本画と自然が織り交ぜられた旅を通じて、日本の伝統的な美術形式の魅力を深く探求します。

この旅を通じて、日本画の繊細な技法や風格ある表現が、北海道の自然とどのように共鳴するかを感じ取ることができます。

美術館の静寂と北海道の広大な風景が調和して、心に残る体験を提供してくれることでしょう。

目次

北海道立近代美術館

北海道立近代美術館

北海道立近代美術館は、1977年に札幌市に開設されました。

1967年に開館した「北海道立美術館」を、1977年「近代美術館」と「三岸好太郎美術館」に発展的に改組する形で開設されました。

建築設計は、日本の建築都市環境学の研究者、建築家である太田實氏によるものです。
両サイドにシンメトリーの大きな斜め屋根が特徴的です。

北海道立近代美術館は、地域性と国際性を併せ持つ総合的近代美術館です。

収蔵作品をさまざまなテーマで紹介する「近美コレクション」展、幅広い時代・分野を視野に入れながら国内外のすぐれた作品を紹介する「特別展」を開催しています。

北海道立三岸好太郎美術館」と連携して展示を行っております。
三岸好太郎や小川芋銭など北海道出身の画家の作品が見られます。

「三岸好太郎美術館」は、2011年に「北海道立近代美術館の分館」として位置づけられました。

北海道立三岸好太郎美術館
北海道立三岸好太郎美術館 北海道立三岸好太郎美術館の公式ホームページです。展覧会情報やイベント情報などをご提供しています。

北海道立近代美術館は、北海道の文化拠点として、そして誰もが心豊かにアートに触れられる憩いと学びの場として、コレクションの充実、多彩な展覧会と教育プログラム、調査研究活動などを進めています。

美術館内には、カフェやミュージアムショップもあり、ここでは、地元の食材や雑貨を楽しめます。

北海道立近代美術館は、北海道札幌市中央区にある美術館です。

最寄りに、札幌市のシンボル「札幌市時計台」や全国的に有名なイベント「さっぽろ雪まつり」のメイン会場「大通公園」があります。

ようこそさっぽろ
大通公園 | 観光施設 | 観光スポット | ようこそさっぽろ 札幌市中心部にある公園。大通公園では、春はライラックまつり、夏はYOSAKOIソーラン祭りやビアガーデン、秋には北海道の食が集合するオータムフェスト、冬はさっぽろ雪ま...

コレクション

北海道立近代美術館では、5つの収集方針を掲げて、多彩なジャンルの作品を収集しており、
また、篤志家からの寄贈コレクションが収蔵されています。
[コレクション数:5,908点(令和5年3月末現在)]

北海道の美術
「北海道ゆかりの作家」
片山球子、蠣崎波響、岩橋英遠
林竹治郎、木田金次郎、神田日勝、杉山留美子、花田和治等
日本近代の美術横山大観、松岡映丘
青山熊治、国吉康雄、桂ゆき等
エコール・ド・パリパスキン、シャガール、フジタ、キスリング、スーチン
ドラン、ローランサン、ユトリロ、エルミーヌ・ダヴィッド等
ガラス工芸日本及びヨーロッパ近代、世界の現代ガラス
現代の美術1960年代降に活躍した作家
ボルタンスキー、宮島達男等
5つの収集方針
高橋博信コレクションルネサンスから近代までのヨーロッパ版画
歌川国貞を主とする江戸後期の浮世絵
江上壽幸コレクション幕末から昭和戦後に至る北海道のやきもの
友田多喜雄コレクション西洋と日本の近現代版画
篤志家からの寄贈コレクション

作品紹介

狆鉄線花図(ちんてっせんかず)《蠣崎 波響(かきざき はきょう)
狆鉄線花図《蠣崎波響》 1813(文化10)年頃 絹本著色・軸 44.3×65.6cm アートアジェンタより

この作品は、舞う蝶を大きな瞳でみつめる狆に、鉄線花を添えたものです。
緊張感のある構図や狆の毛並みにみる流麗な筆致など、充実した作風を示します。

署名の筆跡と印章から、文化10年頃の制作であり、波響円熟期の作品です。

北海道立近代美術館 HPより
  • この絵に描かれている狆(ちん)は、その時代において大名家を始めとする高い位の家庭で愛される小型室内犬です。
  • 画面を見ると、黒と白の毛並みがなんとも柔らかそうに描かれ、のコントラストが鮮やかな首輪には小さな鈴が優雅に鳴り響いているようです。
  • 白い花びらに花芯が色の鉄線の花が咲く庭で蝶をじっと見つめるその愛くるしい姿は、まるで狆がかつてどれほど大切にされていたかを物語っています。

皆さんは、この狆の表情からどのような物語を感じ取られますか?

この一枚の絵が、当時の人々の生活に寄り添う愛おしいペットの存在を、今に伝えてくれているように思えます。

蠣崎 波響(かきざき はきょう)について

本名:蠣崎 広年(かきざき ひろとし)
1764(明和元)年~1826(文政9)年

福山城内(現・北海道松前町)生まれ。松前藩主の五男

江戸で南蘋派の宋紫石に師事して中国の写実画法を学びます。

1789(寛政元)年クナシリ・メナシの戦いに際し、松前藩の功労者としてアイヌの連作肖像画「夷酋列像(いしゅうれつぞう)」を描きました。

1790(寛政2)年に完成したその作品群は、光格天皇の叡覧に供されました。

その上洛の折に、当時京都画壇の主流であった円山四条派の画家や文人たちと交流を持つようになり、大きな影響を受けました。

波響は、松前藩家老であり、また、優美な花鳥や豊麗な美人画を描く画家です。

近世の北海道が生んだ最初の本格的な画人と言われています。

夷酋列像(いしゅうれつぞう)

夷酋列像《蠣崎 波響》 1790(寛政2)年 絹本着色 各40.0×30.0cm(ブザンソン美術考古博物館蔵他)
集まれ!北海道の学芸員より

12人のアイヌの首長が描かれています。
江戸時代異色の人物画として、日本の近世絵画史上において注目される作品群です。

アイエム[インターネットミュージ...
夷酋列像 ─ 蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界 ─ | レポート | アイエム[インターネットミュージアム] 夷酋列像 ─ 蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界 ─の取材レポート。夷酋列像 ─ 蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界 ─を実際の会場で取材し、写真と動画で紹介。行ったか...

歴史的背景から複雑な思いがしますが、豪華で細やかに威厳を持って描かれた人物像から、波響はこの肖像画のモデルのアイヌの首長達一人一人に向き合って描いたと思われます。

釈迦涅槃図しゃかねはんず

釈迦涅槃図《蠣崎波響》 双幅 1811(文化8)〜1814(文化11)年頃 高龍寺蔵  北海道指定有形文化財
文化遺産オンラインより

涅槃図では珍しく、双幅の形式をとっています。
中心となる釈迦を囲む会衆や寝台の東西南北に2本1組で配される沙羅樹などは左(右幅)に集中しており、右幅だけで成立するようにも、3幅で1幅を欠くようにも受け取れる構図です。

波響が生涯で描いた最大の作品です。

函館の高龍寺11世禅海上人のために波響楼で制作されたといわれます。

これだけの大画面に、得意とする唐人物風の菩薩や多種多様の鳥、動物が写実的に描き込まれ、波響が全身全霊をもって取り組んだ様子が感じられます。

波響作品における最高傑作の1つに挙げられます。

文化遺産オンラインより
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釈迦涅槃図蠣崎波響筆 文化遺産オンライン ・蠣崎波響(1764~1826)は第12世松前藩主資広の5男として福山城に生まれ、翌年、家老蠣崎将監広当の跡継ぎとなりました。幼少から江戸に出て、建部凌岱や宋紫石に師事し、...

当時の50才前後は老年といわれる年齢です。
その時に、渾身込めて描かれたであろう作品は、
とても風雅な雰囲気を持っています。

道産子追憶之巻(どさんこついおくのまき)《岩橋 英遠(いわはし えいえん)
道産子追憶之巻《岩橋 英遠》 1978-82(昭和53-57) 年 紙本彩色 60.7×2908.8(cm)

岩橋英遠の『道産子追憶之巻』は、全長約29メートルに及びます。

英遠が長い構想の末、79歳の時に完成した絵巻形式の大作です。

巡りゆく北海道の四季が、日の出から日没までの一日の移ろいと重なりながら、静かに鮮やかに展開します。

なかでも、夕焼けの茜色に染まる田んぼの上を、無数の赤トンボが渡りゆく秋の情景は圧巻です。

一度完成するも、その4年後に描き足したというエピソードからも強い思い入れが伺えます。

記憶のなかに生き続けた北海道の原風景を詩情豊かに描いた英遠芸術の集大成です。

北海道立近代美術館HP、たびらい北海道情報 より

岩橋英遠の『道産子追憶之巻』は、厳冬の閑寂から始まります。

  • 深い雪と寒さに覆われた暗いモノクロの世界から、徐々に朝日の光を浴びて温もりを帯び、春の息吹とともに色彩豊かな百花繚乱へと移り変わります。
  • 生命を蘇らせる雨後の新緑から夏の濃い緑へと景色は深まり、やがて秋の落日が照らす茜色の空へと変貌します。
  • 豊穣な秋が過ぎ去り、黄金色に輝く大地はやがて冬の訪れとともに静かな雪景色に包まれます。
  • そして、全てを照らす満月の下、再びモノトーンの深閑な世界が訪れるのです。

一年のサイクルと一日の流れが見事に重なり合い、北海道の大地とそこで生きる人々の営みが息づく、時を超えた美の讃歌です。

作中の冬眠している熊はこの絵の景色を見ている人、また、夢に見ているのは追憶の景色のように見えます。

岩橋 英遠(いわはし えいえん)について

本名:岩橋 英遠(いわはし ひでとお)
1903(明治36)〜1999(平成11)年

北海道の江部乙(現・滝川市)生まれ。

21歳で上京し、日本画家、山内多門に師事。

壮大なスケールで自然現象や風景をとらえた作品で高い評価を受けました。

1994(平成6)年、文化勲章受章。

双璧・那智〔そうへき・なち〕双璧・華厳〔そうへき・けごん〕

和歌山県の「那智の滝」、栃木県の「華厳の滝」。
ともに【日本三名瀑】として挙げられる大きな滝です。

日本三名瀑【華厳の滝・那智の滝・袋田の滝】

トリップノート
日本三大名瀑【華厳の滝・那智の滝・袋田の滝】&三名瀑に負けないおすすめの滝7選! 日本三大名瀑に数えられる華厳の滝・那智の滝・袋田の滝。そして日本にはこの三名瀑にも負けないスケールや美しさを誇る名瀑がまだまだ存在します。この記事では日本三大名...

それぞれの滝や景色の特徴が描かれています。

瀑布の轟音まで聞こえてきそうです。
また、白い水飛沫と清涼感のある空気が感じられます。

北の海(陽)〔きたのうみ(ひ)〕北の海(氷)〔きたのうみ(こおり)〕

夏の海と冬の海。
描かれたのは、北海道の東端、標津(しべつ)の海岸です。

相模原市 HPより

北の海(陽)では、朝日に向かうように、北の海(氷)では、流氷の海上を遠くの島へ向かうように群れで飛ぶ海鳥達が描かれている海の景色の作品です。

標津町の海岸からは国後島が見えるそうです。

海鳥達の、国境など関係なく自由にどこへでも向かうことができる姿は、人間も本来は、自由であることが描かれているようです。

相模原市
岩橋 英遠 相模原市公式ホームページ「岩橋 英遠」についての記事です。

岩橋永遠は、連作や対の作品を複数描かれています。

それぞれの繋がりや対比を描く事によって
多面的に美を見出そうとされたのかもしれません。

アクセス

住 所:〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西17丁目

髙橋 友美 Yumi Takahashi
日本画家 Nihonga Artist
日本画情景 - Scenes Art -
この言葉に相応しい絵を描くことをテーマにしています。

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この記事を書いた人

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