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「日本画の世界へようこそ!おすすめ美術館で巡る全国名作の旅【作品解説&アクセス徹底紹介】」を公開しました。ぜひ、日本画が観られるおすすめの美術館の旅の参考にご覧下さい。

日本画の描き方: 初心者向け下描きStep by Step解説!

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日本画はその繊細な表現力と深い歴史的背景で知られる日本の伝統的な芸術形式です。
この記事では、日本画の基本の描き方、そして下描きの重要性について解説していきます。

目次

日本画の基本 – 伝統的な描き方とその背景

日本画は、日本の自然や日常を題材にした作品が多く、墨や和紙を用いて表現されます。
日本画の描き方は、西洋画とは異なる技法と材料が特徴です。

伝統的な日本画は、線画で構成される下描きステップから始めます。
描き方は一般的に線画、彩色、そして背景の3ステップに分けられます。練り墨や筆を使用して、精密かつ繊細な描き方を学ぶことができます。

 下描きの重要性 – 日本画作成の第一ステップ

下描きは日本画作成の非常に重要なステップです。
この段階では、作品の基本的な形を作成し、バランスとプロポーションを確認します。下書きは通常、簡単な線で描かれ、後のステップで詳細が追加されます。

下描きの段階で基本的な技法としては、輪郭線を描く技法や構図のバランスを取る技法があります。
また、下書きを行うことで、作品全体の調和とバランスを保つことができます。

日本画の描き方 – 初心者でも分かる基本テクニック

初心者向けのテクニックとしては、線の描き方から始めることが一般的です。
線を描く際には、筆の持ち方や筆圧のコントロールが重要となります。

次に、彩色の段階では、色の重ね塗りやグラデーションのテクニックを学ぶことができます。
そして、背景を描く際には、空間を表現する技法を使用して、作品に深みを持たせることができます。

下描きから日本画の創造へ – プロセスの紹介

下描きから日本画の創造へと進むプロセスは、非常に技術的かつ時間がかかるステップです。しかし、このステップが日本画の深みと繊細な表現を生み出します。

このプロセスでは、下描きで描いた輪郭に沿って、線画を仕上げていきます。そして、彩色のステップでは、色を重ねることで立体感と奥行きを表現します。

日本画のテクニックと表現力を高める下描きの技法

ここでは、日本画の技法を磨き、表現力を高める方法を紹介します。
下描きの技法を磨くことで、作品に独自のタッチや質感を持たせることができます。

また、技法を磨くことで、自身のスタイルを確立し、他の画家と差別化することが可能となります。
下描きの技法を学び、日本画の世界を更に深く探求しましょう。

下図とは何か?その作り方

下図とは、下描きのために作る下絵のことです。
下図はトレーシングペーパーに写します。

トレーシングペーパーとは半透明の紙で、他の紙に重ねると下にある絵が見えるようになっています。
トレーシングペーパーはコピー用紙よりも薄くて柔らかいので、転写するときに便利です。

下図を作る方法はいくつかありますが、ここでは写真やイラストなどを参考にしてトレーシングペーパーに写す方法をご紹介します。

  • 写真やイラストなどをコピー用紙に印刷します。
  • コピー用紙を光が当たる場所に貼り付けます。窓ガラスやライトボックスなどがおすすめです。 トレーシングペーパーをコピー用紙の上に重ねてテープで固定します。
  • トレーシングペーパーの上から写真やイラストの輪郭を鉛筆でなぞります。
  • トレーシングペーパーをコピー用紙からはがします。

以上で下図は完成です。下図は輪郭だけでなく、影や模様なども写しておくと良いでしょう。下図が完成したら、次は本紙に転写する方法を見ていきましょう。

本紙とは何か?その選び方

本紙とは、日本画を描くための紙のことです。
本紙は和紙が一般的ですが、洋紙でも構いません。
和紙と洋紙の違いは、繊維の長さや密度、表面の質感などにあります。
和紙は繊維が長くて密度が低いため、水分や絵具を吸収しやすく、柔らかくしなやかな質感があります。
洋紙は繊維が短くて密度が高いため、水分や絵具を吸収しにくく、硬く平滑な質感があります。

本紙の選び方は、描きたい絵の雰囲気や表現方法によって異なります。
和紙は水分や絵具の流れやにじみを生かした表現ができますが、細かい線や色の重ね塗りは難しいです。
洋紙は水分や絵具の流れやにじみを抑えた表現ができますが、和紙のような柔らかさや透明感は出にくいです。

どちらの紙を選ぶかは、自分の好みや目的に合わせて決めてください。

本紙のサイズも自由に選べますが、下図と同じサイズにすると転写しやすいです。
本紙を選んだら、次は下図を本紙に転写する方法を見ていきましょう。

下図を本紙に転写する方法

下図を本紙に転写する時に使う紙のことを「転写紙」といいます。

下図を、本紙に転写する方法は以下の通りです。

  • 下図をトレーシングペーパーか薄美濃紙に写します。
  • それを裏返して転写紙に重ねます。
  • 転写紙の上から下図の輪郭をなぞります。
  • トレーシングペーパーと転写紙を裏返して本紙に重ねます。
  • トレーシングペーパーの上から下図の輪郭をなぞります。
  • トレーシングペーパーと転写紙を取り除きます。

以上で、転写は完了です。

次に、転写紙の種類について、ご紹介します。

転写紙の種類

転写紙には、いくつか種類があります。

  • 念紙
  • チャコペーパー
  • カーボン紙

転写紙は、市販のものを購入することができます。
市販のものは、お手軽にすぐ使うことができます。

また、自分で作成することも出来ます。
自作のものは、自分の描きやすいようにアレンジすることが可能です。
 

念紙を使う方法

念紙とはカーボン紙のようなもので、下図と本紙の間に挟んで輪郭をなぞると、本紙に線が写る仕組みです。
念紙は、自作のものでは、作品の色合いや雰囲気に合わせて使い分けることが出来ます。

念紙の作り方は、以下の通りです。

念紙を作る時は、粉末状の染み込みやすい顔料を使用する為、作業着等汚れても構わないようなものを着用して、なるべく屋外で作業した方が良い。

材料

  • 薄い和紙(薄美濃紙など)
  • 水干絵具や木炭の粉などの顔料(一般的には朱土、弁柄、黄土、藍など)
  • 日本酒 ※ワンカップ等でok
  • 刷毛
  • 筆、
  • 新聞紙など

作り方

STEP
顔料:水干絵具は乳鉢でよく擦り合わせます。

*粒子が細かくないと和紙に染み込まないので粉末状になるまで擦り合わせます。

STEP
顔料を日本酒と水で混ぜて絵具を作ります。

絵具の2倍位の日本酒を乳鉢に入れて擦り合わせます。

STEP
更に、絵具の8倍位の水を入れてよく溶きます。

絵具は濃すぎず薄すぎずにします。

STEP
和紙を新聞紙の上に広げて平らにします。
STEP
刷毛に絵具を含ませて、和紙に均一に塗ります。

和紙の繊維方向

1度目の直交方向

STEP
この作業を2回以上繰り返します。
STEP
絵具が染み込んだら、和紙を乾かします。
STEP
乾いたら、角から内側に丸めて皺を作りよく揉み込みます。
STEP
それを広げて皺をよく伸ばして、余計な粉を落とします。
STEP
顔料を付けていない方の端に「念」と書いておきます。

これで念紙の完成です。

念紙を使って下図を本画に転写するときは、トレーシングペーパーなどに下図を写しておきます。
念紙を本画の上に重ねて、トレーシングペーパーをその上に置きます。

竹ペンや鉄筆など先の尖ったもので、トレーシングペーパーの線描をなぞります。すると、念紙から絵具が剥がれて本画に付着します。これで転写が完了です。

以上が念紙の作り方と使い方です。念紙は何度でも使えるので、大切に保管しましょう。

念紙を使わない方法

念紙は水溶性ではないので、制作の途中で線が消えません。
また、念紙の色が絵具に混ざってしまうこともあります。

そこで、水溶性のチャコペーパーを使う方法がおすすめです。

チャコペーパーとは、水で溶ける色素を塗った紙です。
下図と本紙の間に挟んで輪郭をなぞると、本紙に線が写ります。

チャコペーパーの色は赤や青など様々ありますが、白色やグレーのものが日本画に向いています。

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チャコペーパーは水溶性なので、制作の途中で線が消えてしまいます。
しかし、それは逆にメリットになります。

なぜなら、日本画では線を残さずに色彩や筆使いで表現することが多いからです。

カーボン紙など、油分が含まれている物は、絵絹等に着いた場合、絵具を重ねても線が消えず、描画に影響する場合があるので注意が必要です。

また、転写紙は、トレーシングペーパーに鉛筆で片面を塗ってティッシュ等で均一にして作る方法もあります。

転写紙:鉛筆_黒、白

私の師匠にあたる先生から教わりました。
描く絵の密度次第によりますが、平均で100回位は使えるそうです。



本紙には、転写した線が写っています。
この線は薄墨で骨描き(こつがき)をすると消えてしまいます。

骨描きとは?
日本画では最初に輪郭を描くことです。
骨描きは薄墨で描くことが多いですが、絵具でも描くことができます。

「日本画の描き方入門 – 下描きから完成作品までのStep by Stepガイド」まとめ

この記事では、日本画の描き方の基本である下描きについて解説しました。

下描きとは、本紙に絵を描く前に、別の紙に下絵を作ってから転写する工程です。
下描きは日本画において重要な役割を果たします。
なぜなら、日本画では修正が難しいからです。

そこで、下図を作ってから本紙に転写するという工程が必要になります。
下図を作る方法や本紙の選び方、下図を本紙に転写する方法などをご紹介しました。

下描きは日本画の描き方の第一歩です。
下描きができれば、あとは色彩や筆使いで自由に表現できます。

日本画の色彩や筆使いについては、これから別の記事で詳しく紹介していきます。

日本画は独自の技法や素材を使って美しい作品を作り出すことができます。

ぜひ、日本画に挑戦してみてください。

髙橋 友美 Yumi Takahashi
日本画家 Nihonga Artist
日本画情景 - Scenes Art -
この言葉に相応しい絵を描くことをテーマにしています。

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この記事を書いた人

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