日本画は、和の美しさや四季の情景を繊細に表現できる日本独自の絵画技法です。
そんな日本画を体験できるワークショップは、美術館やカルチャー教室、またイベントでも人気があります。
しかし、実際に日本画ワークショップを開催するには、単に画材を並べて描いてもらうだけではうまくいきません。

私自身も初めてのワークショップ開催で「やってみるだけ」のつもりが、いざ現場に立つと「成功させたい」という気持ちが強くなりました。
参加者の満足度を高め、また来たいと思ってもらえるためには、「準備・進行・雰囲気作り」の3つのバランスが重要です。
本記事では、日本画をテーマにワークショップを成功させるための3つのポイントをご紹介します。



私、高橋友美が、初めて、ワークショップを開催してみて感じたことを記事にまとめました。
ぜひ、参考にしていただけたら嬉しいです。
日本画ワークショップで大切なこととは?


日本画ワークショップのやり方と準備のコツをご紹介します。
目的とテーマを明確に設定する
まず最初に必要なのは、「このワークショップで何を体験してもらうか」というテーマの設定です。
たとえば…
- 季節の草花を描く
- ペットの肖像画を描く
- 和紙に描いてお持ち帰りできる作品にする
など、具体的なゴールがあると、参加者の満足度が上がりやすくなります。
さらに、「参加者のゴール=完成作品」が明確だと、教える側の説明もブレずに進行しやすくなります。
日本画ワークショップの金額設定の考え方


参加費無料と有料、それぞれのメリット・デメリット
日本画ワークショップの金額設定は、集客や参加者の満足度に大きく関わります。
無料開催は気軽に参加できる反面、キャンセルや途中退出のリスクもあります。
一方、有料開催は、参加者の意欲が高くなり、材料費や運営コストも賄いやすいというメリットがあります。
初心者向け・リピーター向けで価格を調整する
最初は参加しやすい価格帯に設定し、経験を重ねたり、口コミが広がったりしたら、内容を充実させて価格を上げる流れがおすすめです。
例えば:
- 初回お試し価格:1,500〜3,000円(材料費込み)
- 通常ワークショップ:3,000〜5,000円
- 額装・持ち帰り付き/特別テーマ:5,000円以上
価格に見合った体験価値(特別感、作品の完成度、持ち帰りアイテムの工夫)が重要です。
金額設定のポイントは「体験価値」と「コスト計算」
価格を決める際には、以下を考慮しましょう:
- 材料費(顔彩、紙、額、紙袋など)
- 会場費
- 自分の準備・運営の時間
- 参加者が「この金額なら満足」と思える体験内容
また、同じ地域・同ジャンルのワークショップ価格をリサーチしておくと安心です。





今回、2時間半の間好きな時間だけ、好きな画材を使用ということで、合わせて、¥2,000-(税込)の設定にしました。
参加費の設定は、意外と悩ましいポイント
日本画ワークショップを始めるとき、多くの方が迷うのが「金額設定」です。
「気軽に参加してほしい」という気持ちと、「材料費や準備の労力を考えると…」という現実的な部分のバランスはとても難しいですよね。
私自身、最初のワークショップは「ワンコイン(500円)」という超低価格で設定しました。
気軽に参加してほしい、失敗したらどうしよう…という思いが強かったからです。
経験者からのアドバイスで気づいたこと
ところが、実際にペット肖像画の日本画ワークショップを6,500円で開催されているアーティストさんから、
「安すぎると、逆に価値が伝わらないよ」とアドバイスをいただきました。
確かに、ワークショップは「作品だけでなく、時間と空間も提供するもの」。
安すぎると、参加者の意欲や満足感にも影響することに気づかされました。
そこで途中から2,000円に金額を見直したところ、参加者の方から「しっかり準備されていて、この価格なら納得」と嬉しい声もいただき、私自身も自信につながりました。
金額設定は「体験価値」と「自分の覚悟」のバランス
価格が高すぎても参加しづらいですが、安すぎてもワークショップの魅力や自分の準備が正当に伝わりません。
材料費や持ち帰りアイテム、場所代、自分の時間と労力も含めて「この金額なら安心して提供できる」と思えるラインを考えてみましょう。
私も、今後は内容をさらに充実させて、適切な価格帯でワークショップを続けていきたいと思っています。
会場と備品のチェックは入念に
日本画は繊細な画材を扱うため、照明・机の高さ・湿度などが意外に大きな影響を与えます。
筆者の体験談ですが、会場が思ったより暗く、作品の発色がわかりづらくなってしまったことがありました。
そのため、ポータブルLEDライトなどを持参するのが非常におすすめです。





私は、手持ちのメイク用ミラーのLED照明 を使用しました。


また、紙袋や額など「作品のお持ち帰り用アイテム」も準備します。




数種類用意しておくと安心です。
見た目にも惹きつける画材選びを


初心者が多いワークショップでは、「非日常感」「ワクワク感」がある画材を選ぶのもポイントです。
顔彩(がんさい)の美しい色合い、金・銀などのキラキラ系装飾用絵具、など、目を引く材料を使うと興味を惹きやすくなります。
- パッと目を引く発色の美しさ
- 水彩感覚で使いやすく、日本画初心者にもぴったり
- 顔彩特有のツヤが作品を上品に見せてくれる
特に金・銀・パール色系は、作品に「特別感」が出るのでワークショップ向きです
日本画ワークショップを盛り上げるおすすめの工夫


参加者の緊張感を和らげる:「アイスブレイク」
ワークショップ開始直後は、参加者が緊張していることが多いものです。
いきなり本題に入るのではなく、作品見本の鑑賞や、色を自由に試す時間を用意することで、参加者の表情がほぐれてきます。



「どの色に惹かれますか?」「好きな季節はありますか?」など、テーマに関係ある問いかけをすると、自然と会話が生まれます。
話しやすい雰囲気作り:「ファシリテーション」
進行役の「話しすぎ」は逆効果。
参加者が話しやすい工夫=ファシリテーション力が重要です。
たとえば、
- お互いに作品を見せ合う時間を設ける
- 「この色の組み合わせ、どう感じますか?」と問いかける など
発言しやすい空気作りを意識すると、場が一気に活性化します。
少人数制+自由度の高い内容がベスト
あまりに大人数で形式的な内容だと、日本画の魅力である「静けさ」や「内面との対話」が薄れてしまいます。
少人数+自由なアプローチができる内容の方が、参加者が自分らしく作品に向き合えます。
日本画ワークショップを成功に導く運営のポイント




タイムキープ、柔軟な進行
「1時間で終わらせたい」「額装もしたい」など、限られた時間内でやるべきことは多いですが、余裕を持った設計にすることが成功のカギです。
予定よりも作品完成が遅れてしまうこともあるかと思いますが、
「途中でも満足できる形」や「延長どこまで可能かなどの配慮」も用意しておくと安心です。
SNS活用と事前告知


ターゲットに合わせて、SNSやブログなどで告知することも忘れてはいけません。
また、あらかじめハッシュタグを決めておくと、当日の様子を参加者が自然に投稿し、拡散されやすくなります。
例えば、
#日本画ワークショップ
#キラキラ絵具
#初めてでも大丈夫!
など
アンケートなどで次回への改善に繋げる
ワークショップ後は、簡単なアンケートをお願いしてフィードバックを得ましょう。
「良かった点/もっとこうしてほしかった点」など、参加者の声が次回の改善につながります。
Googleフォームなどでスマホからすぐに答えられる形式も良いですね。
回答率も高まります。


実際に使って良かった日本画ワークショップ用の画材と持ち帰りアイテム


ワークショップの魅力を高めるには、画材や備品の選び方も重要です。
ここでは、筆者が実際に使って「これはよかった!」と思ったアイテムをご紹介します。
見た目が華やかで扱いやすい《顔彩セット》
初めてのお客様は、キラキラ輝く顔彩に興味をお持ちになり、参加していただきました。
「日本画」に興味はあるが、何から始めたらいいかわからない、まず透明水彩と顔彩は何が違うのかなど
おすすめ:墨雲堂 絵具「オーロラ」「パール」各6色
持ち帰ったあとも飾れるもの《小型の額縁》
おすすめ:ミニ色紙・ハガキサイズ対応/前面アクリル製の軽量額


- 額付きにすると「作品を完成させた感」がアップ
- 軽くて割れにくいアクリル素材がおすすめ
- 白や木目調など、作品に合いやすい色を選ぶと◎
額装まで含めると、ワークショップの満足度がぐっと上がります☺️
お持ち帰りに便利な《紙袋や封筒類》
- ワークショップ当日、参加者が作品を傷つけずに持ち帰れるように
- 封筒タイプ・マチ付き紙袋など、複数サイズを事前準備しておくのが安心
以前、サイズが合わず参加者に不便をかけてしまった経験から、封筒や紙袋は「大中小」用意した方が良いです
【日本画アートワークショップ 成功させる秘訣3選】まとめ


この記事では、日本画ワークショップの方法と成功に導くポイントを記載しました。
日本画ワークショップで大切なこと
日本画ワークショップでは、テーマ設定やゴールの明確化、会場設備の工夫を通して、参加者が安心して作品づくりに集中できる環境を整えることが大切です。
日本画ワークショップを盛り上げる工夫
緊張を和らげる工夫や、話しやすい雰囲気づくり、少人数制の自由な設計で、参加者同士の交流と作品への満足度を高めることができます。
日本画ワークショップを成功に導くポイント
時間配分や柔軟な進行、効果的なSNS活用、参加者からのフィードバックを重ねることで、次回に繋がるワークショップ運営が実現できます。
日本画ワークショップ用の画材とお持ち帰りアイテム
華やかな顔彩や使いやすい額、作品保護のための紙袋など、細やかな備品選びが参加者満足度を左右する重要なポイントです。
日本画ワークショップでは、画材や道具の選び方ひとつで体験の質が大きく変わります。
「気が利いてるな」「また参加したいな」と思ってもらえるような、小さな気配りの積み重ねが信頼とファンづくりにつながります。



この記事が、これから日本画ワークショップを考えている方のヒントになれば嬉しいです!
コメント