こんにちは、日本画家の髙橋友美(たかはしゆみ)と申します。
いつも私の作品に関心を持ってくださり、ありがとうございます。
このページでは、私がこれまでに制作してきた日本画の作品をいくつかご紹介させていただきます。
日本画は、その繊細な筆使いと独特な色彩、そして伝統的な技法と素材の使用によって、他の絵画スタイルとは異なる深い情緒を持っています。
私はこの日本画の伝統を尊重しつつ、現代の視点を取り入れた作品制作を心がけています。
髙橋友美 作品集
日本画
神楽坂情景
岩絵具 水干絵具 墨 膠 雲肌麻紙 F10
第30回 日本の自然を描く展「自由部門」
優秀賞受賞
東京・神楽坂。花街として情緒あふれる歴史を持ちつつ、石畳の路地がフランスの街並みのような雰囲気を持ち合わせています。
ここは、階段横の銭湯「熱海湯」から『熱海湯階段』、見番からお座敷に向かう芸者さんが通っていた事から『芸者小路』など他いくつか呼び名があります。
2010年、夫がこの地を撮影した一枚の写真がこの絵のインスピレーションとなりました。
本作品は、日本の風情と西洋の趣が重なり合う無国籍の風景、不思議さの調和を目指しました。
この絵を通じ、神楽坂の情景、そして日本の文化と風景に心から触れてみて下さい。
猫姉妹 – Cat Sisters –
岩絵具 水干絵具 墨 膠 雲肌麻紙 M10
【個人蔵】
うちの猫ではありませんが、階段からいつも眺めていた猫の姉妹です。
元ノラ猫だったせいか飼い主以外が少しでも近づくと脱兎の如く逃げていく彼女達…
そういうところも猫好きにはたまらなく可愛いらしくて絵にしました。
タイトルに「仮称」も付けています。(- だえんケイ&はなポッチ -)
お顔の特徴から、上の猫=姉:はなポッチ(主人が名付け親)、下の猫=妹:だえんケイ(きれいな楕円形のお顔) とこちらで勝手にそう呼んでいました。
※飼い主さんがお引越しされたので、彼女達の本当の名前は結局確認できておりません。
百日紅
岩絵具 水干絵具 墨 膠 雲肌麻紙 F30
2007(平成19)年 都展入選
ツヤのある木の枝に鮮やかなピンクや紅色、又は白い花が昔から好きでした。
昔の実家の近所の家の庭に植えてあったもの、東京で初めて暮らしていた下宿の向かいに鮮やかなピンクの花を咲かせていました。
日本画で初めて描いた作品です。
つれづれ(上村松園) 【模写】
絹本彩色 455×378(mm)
2018(平成30)年
尊敬する日本画家: 上村松園先生の作品「つれづれ」を模写しました。
松園先生のように清廉で美しい作品を描きたくて描いてみました。
計算された構図、色使い、技術等、etc…
大変勉強になりました。
今後の私の創作活動の指針です。
むぎわらさびねこ -Straw Tortie –
岩絵具 墨 膠 雲肌麻紙 箔 SM
2020(令和2)年
この作品は、私の実家で愛されていた人懐っこくふくよかな猫へのオマージュです。
毛色が茶と黒と白のまだら模様の猫を「さび猫」といいます。
性格は人懐こい甘えん坊です。
また、それが縞模様の猫を「麦わら猫」と呼ぶそうです。
性格は人見知りだそうです。
モデルの猫は、外見は「麦わら猫」ですが、私が出会ってきた猫さん達の中で断トツに甘えん坊な子で、性格が「さび猫」でした。
「さび」という言葉は、色や素材だけでなく、感情や時間の流れも表すことができます。
さび、サビ、錆、銹、寂…といった言葉の深みを、この作品を通じて感じていただけることを願っています。
英語では、「さび猫」を「tortoiseshell cat (トーティシシェル キャット」、愛称:「Tortie(トーティ)」と呼ぶそうです。
英語のタイトル「Straw Tortie」も、愛と親しみをこめて選びました。
月 – Moon –
岩絵具 水干絵具 顔彩 金泥 膠 麻紙ボード SM
2021(令和3)年
【個人蔵】
静寂な夜空に浮かぶ満月の明るく柔らかな輝きを表現したくてこの作品を描きました。
月の優しい光に照らされて、癒されることを思いながら制作していきました。
夏花華 - なつはな – 《Summer Floral Splendor》
岩絵具 水干絵具 胡粉 膠 墨 雲肌麻紙 F10
2009(平成21)年
この作品「夏花華 – なつはな」は、夏の花々の鮮やかな生命力を捉えています。
画面を埋め尽くすように描かれたひまわりは、サンリッチシリーズのオレンジ、マンゴー、パイン、レモンといった様々な色合いで、夏の陽光を思わせる暖かみを放ちます。
一方で、炎のように激しく、そして美しく舞うグロリオサは、赤から黄色へのグラデーションが印象的で、情熱と活力の象徴のようです。
また、穏やかな粟の穂は、夏の豊かさを感じさせるとともに、作品全体にバランスと静けさをもたらしています。
これらの花々は、夏の豊かな色彩と形の多様性を通じて、視覚的な喜びを与えてくれます。
タイトルは、「夏の花々の華やかさ」や「夏の花々の壮麗さ」を意味します。
このフレーズは、夏の花が持つ生き生きとした色彩と、それによって生まれる豊かで華やかな雰囲気を表しています。
それは、ただ美しいだけでなく、その場にいる人々の心にも影響を与えるような、壮大さや素晴らしさを感じさせる表現です。
花暦ノ肖像 – Familia Garden –
岩絵具 パールアフレア 水乾絵具 墨 箔 膠 白麻紙 雲肌麻紙 F4
2023(令和5)年
【個人蔵】
この作品は、ご依頼をいただいて制作しました。
ご家族の誕生花を繊細に描き出し、それぞれの花言葉を通して、家族の物語を織り成す日本画です。
コンセプトは「静寂・家族・対話・つながり」
家族各人の個性と彼らが共有する絆を象徴的に表現しています。
- 父:ベロニカの花は、「忠実」と「名誉」を象徴しています。
仕事に人生を捧げた父の精神性を表しています。 - 母:スターチス(リモニウム・ハナハマサジ)の花は、「変わらぬ心」を象徴しています。
母の不変の愛と支えを表現しています。 - 息子:ステルンベルギアは、「期待」と「安息」を象徴しています。
家族との関係を見つめ直す息子の心情を反映しています。 - 娘:日々草は、「楽しい思い出」を象徴しています。
家族の新しい章の始まりを告げています。
この絵は、深い感情と静かな対話をもたらすことで、見る人の心に響く作品となることを願っています。
ピカードの言葉「黙って!あなたの声が聞こえないから。」に触発されたように、この作品は言葉を超えた家族の絆の美しさを捉えています。
水彩画
mini Tomato
2号 透明水彩 鉛筆 画用紙
【個人蔵】
ミニトマトの着彩スケッチです。
5つの可愛らしいミニトマトの姿を様々な角度から描きました。
Loychee – ライチ –
2号 透明水彩 鉛筆 画用紙
【個人蔵】
近くの青果店で購入した新鮮なライチ。
ライチの実の透明な質感をどう出していくか、
試行錯誤しました。
「梅の実」
葡萄 Pione – Miyoshi’s Black Pearl –
F4 透明水彩 鉛筆 画用紙
2012年
この作品は、大粒で黒紫色の艶やかな葡萄を描いています。
みずみずしく、質感が美しい実に、虹色に輝く白いクッションを配して、その美しさを際立たせています。
これは弟夫婦が広島の転勤先からお中元として贈ってくれたものです。
広島県外ではなかなか手に入らない希少な葡萄で、「黒い真珠」という愛称で親しまれています。
果皮の美しい黒紫色に白い粉(ブルーム)が付着しており、これは新鮮さの証です。
その大粒の実は見た目だけでなく、香りも豊かで、甘みと酸味の完璧なバランスが特徴で、非常に美味しい葡萄です。
「柘榴」
柿 -暮秋-
F6 透明水彩 鉛筆 画用紙
2012年
庭に植えている柿の実を描きました。
小ぶりで丸みを帯びたこの柿は、秋の深まりとともに、熟して深い色に染まっています。
枝葉の枯れた様子と虫食いの痕が、ゆっくりと暮れていく秋の日々を象徴しており、そこには一種の美しさとも言える哀愁があります。
自然の無常を、この柿の一生を通じて表現したかったのです。
生と死、そして時間の流れがこの一枚に凝縮されています。
それはまるで、季節の終わりに静かに佇むような、ひっそりとした美しさを持っています。
移りゆく季節の変化を繊細に、秋の情緒を静かに語りかけます。
「チョコレートコスモス」
「菊花ふたり咲 –Mum Bloom–」
F6 透明水彩 鉛筆 画用紙
2016年
名称:ポンポンマム
原産国:マレーシア
この絵に描かれているのは、丸い形の可愛らしい洋菊です。
菊は学名「Chrysanthemum(クリサンセマム)」と言います。
※属名はギリシア語の “chryso-“「黄金の」と “‐anthemon”「花」に由来し、本属に黄色い花が多いことによります。
それから略して「Mum(マム)」という呼称で親しまれています。
下部にあった蕾が開花し、小さな花が咲いて、2つの花が並ぶ姿は、まるで母と娘のような温かみを感じさせます。
その他
髙橋友美 作品について
日本画
私の作品は、「日本画」というジャンルになり、「和紙」や「絹」などの支持体に、「墨」や「顔料」などの色材を「筆」を使って描きます。
透明感や空気感を出すために、絵具を薄くしたものを何回も重ねていきます。
また、下地に箔を使用して、画面から光を感じられるようにしたり、作品に奥深さや厚みを持たせるようにしています。
情緒溢れる風景の中へ
私は、これらの作品を通じて、日本画の魅力や情緒を多くの人々に伝えることができればと思っています。
私の作品には、見る者それぞれに異なる感情や思い出が呼び起こされることを願っています。
これからも、私は日本画を通じて、新しい情緒や風景を表現し続けていきます。
これまでの作品はもちろん、今後制作する作品にも、
ぜひご注目ください。
最後になりましたが、私の作品に興味を持ってくださった皆様に心からの感謝の気持ちを込めて。
これからも、私の日本画の世界をどうぞよろしくお願い申し上げます。
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